農薬の短期暴露評価が実施されています(2015.03.09)

phoca thumb l img 0223 農薬の登録にあたっては、以前は残留農薬の摂取量について、一日摂取許容量(ADI)を超えなければ食品安全上問題ないものと判断されていましたが、今ではこれに加え、急性参照用量(ARfD)を超えないかという点においても評価(短期暴露評価)されるようになっています。
 ※ 一日摂取許容量(ADI:acceptable daily intake)とは、ヒトがある物質を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、現在の科学的知見からみて、健康への悪影響をがないと推定される一日あたりの摂取量です。
 ※ 急性参照用量(ARfD:acute reference dose)とは、ヒトがある物質を24時間又はそれより短い時間経口摂取した場合に、健康に悪影響を示さないと推定される一日あたりの摂取量です。

 これによって、従来ですと農薬の登録内容が変更されても、使用禁止農薬を除いて、使用した農薬容器のラベルに書かれていて使用期限を過ぎていないものであれば問題ないという、いわゆる「ラベル主義」でしたが、今回の変更では、現在使用している農薬は短期暴露評価に基づいて農薬製造者(メーカー)が使用方法の登録変更を申請した時点で、容器ラベルの記載内容や最終有効年月に関わらず、実質的に、申請された変更内容の使用方法に従って使用することが求められます。

 昨年の11月から随時、有効成分ごとに使用方法が変更されていますが、今後も多くの農薬で、適用作物からの削除、②使用できる収穫前日数の延長、③使用回数の削減、④使用倍率の低下・・・などが予想されます。

 使用方法の変更が予告なく随時行われ、購入済みであってもその時点で使用が制限されるため、以前のように予め防除計画をたてて、早い段階で農薬を準備することが難しくなります。

 本日、このことについての説明会がJAの主催で農業改良普及センターを講師に行われましたが、農薬容器のラベル表示によらずJAの「滝沢地区だより」や岩手県の「いわてアグリベンチャーネット(http://i-agri.net/agri/)」などの最新の情報に留意のうえ対応してほしい・・・ということでした。

 推測するに、今年は多くの農薬で使用方法の変更が行われ、登録情報も頻繁に改定されるでしょう。
 これからは、病害虫の防除は、直前に農薬適用変更の有無を確認してから農薬を購入して実施することになりそうです・・・それも毎回。
 紙ベースでのお知らせ等はタイムラグが生じるため、農薬メーカーや農林水産省の【農薬の登録情報】(http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_touroku/index.html)
、農林水産消費安全技術センターの【農薬登録情報提供システム】(http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm000.html)などの、インターネット閲覧も必須になるかもしれません。
 なんか、ますますインターネット環境が手放せなくなってきています。
 ※ 以上、上記リンク先の情報等から一部引用 ※写真はイメージです。